研究課題/領域番号 |
17K07539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
傳田 哲郎 琉球大学, 理学部, 教授 (50284948)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 渓流沿い植物 / 発芽特性 / タツナミソウ属 / 琉球列島 / 種分化 / 発芽特性の分化 / 一斉発芽 / 琉球列島固有種 / シソ科 / 固有種 / 漸次的発芽 / 植物 / 進化 |
研究成果の概要 |
琉球列島固有のアカボシタツナミソウ(シソ科)は林縁や石灰岩の山頂部などに生育するが(陸型)、渓流沿いにも出現する(渓流型)。後者は植物体が矮小化し、葉の基部が楔形になるなど、渓流沿い植物の特徴を持つ。陸型と渓流型の発芽特性を比較したところ、陸型の種子は高温条件で発芽が極端に抑制されたのに対し、渓流型の種子は低温から高温まで幅広い温度条件で一斉に発芽することが示された。陸型は好適な発芽温度域で発芽することにより、実生が生存する確率を上げていると考えられる。一方、渓流型は温度を選ばず一斉に発芽することでいち早く根を出して固着し、水流により種子や実生が流される危険性を回避していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
渓流植物であるシダ植物のヤシャゼンマイについて胞子の発芽から配偶体形成までを近縁種と比較した研究では、ヤシャゼンマイの方が配偶体の成長が速いことが報告されている(Hiyama et al., 1992)。しかし、渓流沿い植物に見られる発芽特性の分化は、被子植物では我々が知る限り例がない。本研究は、van Steenis(1981)以来形態学的研究に偏向していた渓流沿い植物の進化に関する研究に新たな視点を加えるものとして、重要な一石を投じたと言える。Ecologyに掲載された渓流沿い植物に関する総説(Costa et al. 2020)においても我々の論文が引用され、紹介されている。
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