研究課題/領域番号 |
17K07540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
富永 篤 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60452968)
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研究分担者 |
西川 完途 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (10335292)
中田 友明 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (50549566)
島田 知彦 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (30610638)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 生殖隔離 / 交雑帯 / 配偶行動 / 性フェロモン / 生息適地 / 交雑 / アカハライモリ / 遺伝子浸透 / 交配実験 |
研究成果の概要 |
アカハライモリ5遺伝集団の分類学的関係の解明のため、集団遺伝学的解析に加えて、飼育下での配偶行動の観察と比較、性フェロモンの地理的変異の把握を行った。また、各系統の潜在的な生息適地を推定した。その結果、北日本と中部日本系統、中部日本と西日本系統は交雑帯を形成しつつも独自性を維持していること、北日本系統の東北集団と関東集団間には遺伝的にも形態的にも緩やかなクライン状の変異がみられることを確認した。系統間の分布境界では境界を挟んで配偶行動と性フェロモンの組成に明瞭な地理的変異がみられることを確認した。生息適地解析では、現在の交雑の実態と各系統の潜在的生息適地に関連がありそうであることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により、アカハライモリは3種に分けられるべき系統が存在することが明らかになった。そしてこれらは交雑帯を形成しつつも、Tension zone として、互いの遺伝的独自性が保たれており、それらは、性フェロモンや配偶行動の違いが関係しているらしいことが明らかとなった。こうした結果は、動物の種分化プロセスを理解するうえで重要な知見であると言える。また、このように広域分布種に含まれる複数の遺伝系統がそれぞれ独立した種とみなせるという結果は、本種の地域個体群ごとに保全を行う必要があることを示唆しており、環境行政や環境教育に関する資料としても価値があると考えられる。
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