研究課題/領域番号 |
17K07545
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
磯村 尚子 沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 准教授 (90376989)
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研究分担者 |
深見 裕伸 宮崎大学, 農学部, 教授 (50402756)
守田 昌哉 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (80535302)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 雑種種分化 / ミドリイシ / 遺伝子浸透 / 多種同調産卵 / 雑種体形成 / 地域における多種同調産卵頻度の違い / 種内同調産卵のばらつき / ミドリイシ属サンゴ / 交雑 |
研究成果の概要 |
多種同調産卵頻度の高低がミドリイシ属サンゴの集団内の遺伝子浸透および雑種種分化に影響を及ぼすかを検証した。毎年多種同調産卵がみられる阿嘉島と同調性にばらつきがみられる瀬底島において、ミドリイシ属サンゴとそれらが形成する集団を対象にした。野外調査および遺伝子解析の結果、1)瀬底島集団は阿嘉島集団のように毎年多種同調産卵はみられず、また種内でも産卵日にずれがみられることがあった、2)阿嘉島集団では、産卵時間がほぼ一致する2種のミドリイシで顕著な遺伝子浸透がみられた。 現在、瀬底島集団の遺伝子解析を継続しているが、阿嘉島集団の結果からは多種同調産卵が種間の遺伝子浸透に関係していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミドリイシ属は、多種多様な形態を示す約150種から構成される有藻性イシサンゴ類の中で最大のグループである。この多様性がどのように生じてきたかは長い間謎であり、雑種種分化によると考えられてきた。今回の課題を含めた代表者らの研究から、そもそも物理的に雑種体を生じるために必要な多種同調産卵は限られた地域でのみみられること、さらに多種同調産卵がみられる地域のミドリイシでは遺伝子浸透は生じているものの、雑種体が種として確立・継続していくにはいくつもの条件をクリアする必要があることがわかった。以上からミドリイシの多様化には、物理的に種間交配できる多種同調産卵が重要な役割を担っていると考えられた。
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