研究課題/領域番号 |
17K07551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
工藤 岳 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (30221930)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 気候変動 / フェノロジー / 送粉系 / 生物間相互作用 / 高山生態系 / ポリネーター / フェノロジカルミスマッチ / 開花時期 / マルハナバチ / 雪解け時期 / 種子食害 / 高山植物 |
研究成果の概要 |
冷温帯林春植物の開花時期と越冬マルハナバチのフェノロジカルミスマッチが起こるメカニズムを、長期観察と除雪実験により検証した。開花は雪解け後の地表積算温度で説明され、ハチの出現時期は土壌温度が閾値に達した日で説明できた。両者のミスマッチは、雪解けが早く起こるが土壌温度が緩やか上昇するときに起きていた。 高山生態系では、雪田植物群集の開花時期は雪渓消失速度によって年変動したが、マルハナバチの活性時期の変動は小さかった。ミスマッチは雪解けが早い年に、開花がハチのコロニー発達に先行することによって生じた。ミスマッチはポリネーターの季節性よりも開花の進行が早まることによって生じることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球温暖化が生態系に及ぼす影響のひとつに、生物の季節性攪乱がある。様々な生物でフェノロジーの早期化が報告されてきたが、それが生態機能に及ぼす影響については不明点が多かった。最も重要な生態系サービスのひとつである送粉機能は、ポリネーターと植物の季節的ミスマッチにより低下する。本研究では、寒冷圏生態系の重要なポリネーターであるマルハナバチに受粉を依存している北方林の春植物と高山植物を対象にして、温暖気候下で両者にミスマッチが起きることを実証し、その発生メカニズムを解明することができた。この成果は学術的な意義に留まらず、気候変動が生態系に及ぼす影響を広く社会に伝えるメッセージになると期待される。
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