研究課題/領域番号 |
17K07560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中森 泰三 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (50443081)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | きのこ / 殺虫作用 / 菌食動物 / 生物地理 / 殺虫力 / 地理分布 / 新種 / 相互作用 / 適応進化 |
研究成果の概要 |
殺虫細胞をもつスギエダタケを利用するトビムシの種組成が地域により異なるかを18地点のスギ天然分布林で調べた。その結果、地域によってスギエダタケを摂食する種の有無や組成、食べ方が異なることが明らかになった。秋田と山形、新潟ではCeratophysella sp. 1がひだを摂食していた。山梨、静岡、岐阜、福井、京都、和歌山、鳥取、隠岐の島、島根、高知ではオオオニムラサキトビムシあるいはその近縁種が子実体内部の組織を摂食していた。青森と佐渡島、宮城、富山、屋久島ではトビムシに摂食されていなかった。これらの結果から、スギエダタケとトビムシの相互作用が地域によって異なることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ある生物が関わりをもつ他の生物種が地理的に異なることは、多様性を生み出す要因として重要である。しかし、菌類については、子実体を摂食しに訪れる動物相が地理的にどのように異なるかということは研究されてこなかった。そのなかで本研究は、地域によってスギエダタケを摂食するトビムシ種の有無や組成、食べ方が異なることを明らかにした。この結果は、トビムシ類がスギエダタケの地域集団ごとに異なる摂食圧を与えている可能性を示唆するものである。本研究は、菌類において関係をもつ菌食動物相の地理的な違いを初めて明らかにしたものであり、菌類と菌食動物の適応進化を探るための出発点となる。
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