研究課題/領域番号 |
17K07582
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
|
研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
濱尾 章二 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, グループ長 (60360707)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 行動生態 / 音声コミュニケーション |
研究成果の概要 |
ウグイスの雄が捕食者、同種雌のいずれの出現時にも発する谷渡り鳴きと呼ばれる音声の機能を明らかにするため観察、野外実験、禽舎内での実験を行った。 雄は雌の渡来前は谷渡り鳴きをあまりせず、渡来後繁殖が始まると特に雌のいるなわばりで頻繁に谷渡り鳴きを行った。しかし、野外で谷渡り鳴きを再生しても雌が誘引されることはなかった。また、谷渡り鳴きを聞いた雌や捕食者であるカラス類が行動を変えることは認められなかった。これらのことから谷渡り鳴きの生起には同種雌の存在が重要であることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に、雌の出現に対して雄が発する音声は求愛の機能を持つ。また、捕食者の出現に対して発する音声は捕食者に自分が気づいていることを知らせて攻撃をやめさせたり、同種他個体に危険を知らせる警報のはたらきをしたりする。ウグイスの雄は珍しいことに両方の出現に対して同じ音声を発する。調査・実験の結果はこの音声が雌に対する信号であることを示唆している。捕食者がいない状況でも雌に対して鳴くのは偽の警報として雌の行動を制御している可能性が考えられ、この類稀な音声の理解を進めることができた。
|