研究課題/領域番号 |
17K07624
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
作物生産科学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
豊田 正範 香川大学, 農学部, 教授 (30284350)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 水稲 / ヒ素 / 点滴かんがい / 温室効果ガス / メタン / 亜酸化窒素 / イネ / 節水栽培 |
研究成果の概要 |
点滴かんがいは専用のチューブから水を一滴ずつ植物の株元に与えるかんがい方法である.湛水した水田土壌が還元状態であるのに対し,点滴かんがいを用いた畑地状態で水稲を栽培すると,土壌が酸化状態にあるために嫌気性のメタン生成菌が活動できずメタンの発生が抑制されること,また,土壌中のヒ酸は不溶化して土壌に吸着されるので玄米中のヒ素含有量が低減することが期待される.圃場試験の結果,点滴かんがいによりメタンの排出量は湛水栽培よりも約8割削減した.また,ガラス室内試験水田でヒ素汚染土壌を用いた試験では,点滴潅がいで栽培した玄米中のヒ素含有量は湛水栽培と比較して約9割低減した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は水稲の畑地状態での点滴かんがい栽培は湛水栽培と比べて,メタンガス,亜酸化窒素,二酸化炭素を総合した地球温暖化係数で評価しても温室効果ガス排出量を大幅に削減すること,また,ヒ素汚染土壌における玄米中のヒ素含有量を大幅に低減することを実証した. 前者の成果は,水稲の畑地状態での点滴かんがい栽培を基盤技術として,温室効果ガス排出量を大幅に削減しつつ,収量・品質を高い水準で達成する実用的な水稲栽培技術開発の可能性を示した.後者の成果は海外に多数存在するヒ素汚染土壌地域において,水稲の点滴潅がい栽培が玄米中のヒ素含有量を低減する水稲栽培技術として現地の食料の生産と安全に貢献できる可能性を示した.
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