研究課題
基盤研究(C)
リンゴのゲノム編集の効率化を目的として小胞子培養、葯培養、成長点および珠心細胞に由来するカルスからのシュート再分化実験を行った。小胞子培養では‘ふじ’等の4品種でカルスの形成および心臓型胚の形成に成功した。倍加半数体品種の‘95P6’は葯培養において他品種より胚様体形成率およびシュート形成率が高く、実験材料として好適であることが判明した。‘ふじ’、‘王林’等のカルスを用いた実験では、成長点に由来するカルスからはシュートが直接再分化し、開花後30日と40日の珠心細胞からは不定胚が形成された。この実験によりカルスからの直接シュート再分化と不定胚経由でシュートを形成する二つの系の作出に成功した。
ゲノム編集技術の発展には様々な培養系の確立が必須であるが、これまでリンゴで形質転換実験・ゲノム編集実験に適用できる培養系は葉切片からの直接再分化系のみであった。今回の研究成果によってアグロバクテリウム法などの形質転換によらないゲノム編集の実現に一歩近いた。ゲノム編集技術の発展は、リンゴ育種の効率化を通してリンゴ生産者および消費者の利益につながり、学術的には研究の国際競争力の向上に資するものである。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件)
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