研究課題/領域番号 |
17K07762
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用生物化学
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
稲葉 靖子 宮崎大学, 農学部, 准教授 (80400191)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 発熱植物 / ソテツ / シアン耐性呼吸酵素 / ミトコンドリア / 光シグナル伝達 / 体温振動 |
研究成果の概要 |
発熱植物の中で裸子植物は約半数を占め、植物の発熱にはポリネーターの誘引や昆虫との相利共生等、種子植物の生殖機構に絡む主要な役割がある。本研究では、日本に自生する裸子植物ソテツ(Cycas revoluta)の発熱諸性質およびミトコンドリア機能/形態的特徴について詳細な検討を行った。その結果、C. revolutaは雄花、雌花ともに発熱能力を有しており、雄花による発熱をサーモグラフィーカメラで撮影することに世界で初めて成功した。また、ミトコンドリアの特徴的形態と呼吸鎖バイパス経路の働きがソテツの発熱に関与することを見い出した。本研究により、ソテツの花が発熱するしくみの一端を解明することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ソテツ(Cycas revoluta)は、種子植物の中でも特に原始的な性質を持つことが知られており、九州南部や沖縄諸島を含む亜熱帯地域に広く安定的に分布する。これまで植物の発熱分子機構研究はサトイモ科などの被子植物を中心に展開されたが、本研究により、十分な発熱能力を有するC. revolutaは、発熱の基本的メカニズムを理解する上で今後重要な植物材料となり得ることを示した。将来的に、これらの植物を用いて花の発熱を支えるしくみを明らかとすれば、寒冷環境下における植物の成長遅延回避や、花における匂い成分の合成・飛散を助ける技術の開発につながることが期待できる。
|