研究課題
基盤研究(C)
米ぬかは、植物ステロール、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)、フェルラ酸、γ-オリザノール、などの多様な機能性成分を特徴的に含んでいる。我々は米ぬか成分に着目し、トコトリエノールとフェルラ酸が相乗的な癌抑制効果(細胞増殖抑制、テロメラーゼ阻害)を有することを見出した。この相乗効果の機構として、フェルラ酸がトコトリエノールの代謝を阻害し、細胞内トコトリエノール濃度を上昇させることが考えられた。フェニルプロパノイド骨格を有するフェルラ酸の類縁体がトコトリエノールと相乗作用を示すことを明らかにした。以上の成果から、米ぬか成分を活用した癌抑制への応用に新たな道を拓いた。
本研究は、米ぬか成分の潜在的可能性を究明し、“米成分による癌予防”の道を拓くものである。米ぬかに含まれる成分同士の相乗効果とその機構を解明しようとする研究は国内外で皆無であり、本研究の新規性は極めて高い。トコトリエノールの癌抑制に相乗効果をもたらす食品機能分子をフェルラ酸の類縁体から見出したことで、トコトリエノールとの食べ合わせに理想的な食品を提案することができるため、栄養指導の観点から癌を予防することが可能になる。また、米ぬかを高付加価値化できるため、米の消費拡大と食品産業の活性化が図られるとともに、高齢化が進む日本人の健康維持への貢献、さらには増大する国民医療費の抑制にもつながる。
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