研究課題/領域番号 |
17K07852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
北村 系子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00343814)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ブナ / 北限 / 分布変遷 / 遺伝的浮動 / NGS / SSR / MIGseq / EST-SSR / 分布拡大 |
研究成果の概要 |
気候変動に伴って分布を北に拡大しつつある冷温帯広葉樹ブナにおいて,現在の分布北限ラインから10km以上北進した山域で新しいファウンダー個体群(創始者集団)が発見された。この個体群について遺伝子解析を行い,これらのブナはどこから来たのかを探ることを目的として研究を行なった。新しく見つかったブナの最北限集団はごく最近に北進し定着をしたものであり、まだ遺伝的多様性は低い。しかしながら、背後にあるブナ北限集団から花粉や種子が運ばれることによって新しい多様性が付加されている実態が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気候変動にともなって生物集団の地理的分布も変化すると考えられる。日本列島の自然生態系において重要な要素である樹木は永年生であることから分布域の変化が気候変動の速さに追いつかない可能性も指摘されている。本研究の結果、北方へ分布拡大を行なっているブナの北進最前線集団は、少数個体が約12-16km離れた新たな生育地に定着し、その後近隣の北限集団から花粉流動や種子散布が繰り返されて遺伝的多様性が蓄積されつつあることが明らかになった。樹木集団が北進を続けるための遺伝子多様性の蓄積は繁殖によって世代を重ねることが重要で、本研究により十数キロ以内がブナの遺伝子流動が可能な範囲の指標の一つとして示された。
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