研究課題/領域番号 |
17K07873
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
木質科学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
上田 一義 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 名誉教授 (40223458)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | セルロース / 分子動力学シミュレーション / 溶解自由エネルギー / 溶媒和自由エネルギー / セルロース誘導体 / 溶解性 |
研究成果の概要 |
セルロースは地球上に最も豊富に存在する再生、持続可能な資源である。その実用化に向けての最大の問題点は溶媒などに対する溶解性が不十分なことにある。本研究は、セルロースのオリゴマーを用いて自由エネルギー計算による溶解性の定量化方法の確立と溶解機構の解明を行った。 その結果、セルロースオリゴマーが7量体以上で溶解しないという実験結果をよく再現する自由エネルギー計算結果が得られ、溶解性を溶解自由エネルギーから評価することが可能となった。また、セルロースが水に溶解しないことの熱力学的な原因は、固体状態の解離自由エネルギーが溶媒和の自由エネルギーより大きいことが主な要因と考えられることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セルロースは再生、持続可能な資源であるが、実用化に向けては溶媒などに対する溶解性が低い問題点がある。本研究では、セルロースのオリゴマーを用いて自由エネルギー計算による溶解性の定量化方法の確立と、溶解機構の解明を行った。溶解性はセルロース化学の基礎的な問題でありながら、その機構や溶解性の熱力学的評価は未だ解明されていなかった問題であり、溶解自由エネルギーにより溶解性が精度よく評価できたことは、今後のセルロース科学の基盤情報を与えるものとして学術的意義があるのみならず、今後のセルロースの溶解性向上を検討するうえで、有益な指針を示すものと考える。
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