研究課題/領域番号 |
17K07900
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水圏生産科学
|
研究機関 | ふじのくに地球環境史ミュージアム |
研究代表者 |
渋川 浩一 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 教授 (30435739)
|
研究分担者 |
武藤 文人 東海大学, 海洋学部, 准教授 (50392915)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 分類学的再検討 / 未記載種 / 学名確定 / 間隙性動物 / 魚類 / 環境適応 / 種多様性 / 汀線 / 生物多様性 |
研究成果の概要 |
東アジア沿岸での爆発的な種分化が判明しつつある間隙性魚類アストラベ群(スズキ目ハゼ科)の分類学的再検討を行い、4属56種を確認した。半数以上の29種が学名のない未記載種であった。本群魚類の多くは汀線付近の微細間隙に生息し、骨格系や筋肉系の比較観察においても、狭小環境での生活に有利に働くと示唆される特殊な状態が多数確認された。種数の多いミミズハゼ属では多くの種が潮間帯の砂礫中に潜むのに対して、他3属は主に潮下帯に見られる。ミミズハゼ属における著しい種多様性は、干潮時に干出する潮間帯の砂礫間隙という、競合する他魚種のいない環境への進出を可能とした特性の発現が契機となり醸成されたものと推察された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、汀線付近に堆積する砂礫の間隙という、脊椎動物の生息場所としては極めて特殊な環境下で醸成されたアストラベ群の種多様性が大きく解明された。とくに日本での著しい種多様性が確認され(全56種中54種が日本産、その内の46種が日本固有)、その爆発的種分化を招いた日本沿岸の砂礫環境の豊かさ、多様さを裏づける結果となった。中でもミミズハゼ属における未記載種の多さは、潮間帯の砂礫だまりというアクセスしやすい環境でさえ、さらには脊椎動物という比較的大型の生物に関してでさえも、我々の現在の生物多様性認識が未だ不十分であることを示すものである。
|