研究課題/領域番号 |
17K07912
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
井上 徹志 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (10624900)
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研究分担者 |
守屋 繁春 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 専任研究員 (00321828)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 共生 / クロアワビ / アルギン酸分解 / トランスクリプトーム / 微生物 / 水産学 |
研究成果の概要 |
アワビや魚類の種苗生産では、著しい成長差が生じることが知られている。本研究はクロアワビの成長差と腸内細菌叢の関係を明らかにし、成長差を与える腸内代謝系の解明を目的とした。 培養法による解析では、アワビが珪藻食から褐藻食へ移行して2週間でアルギン酸分解菌の割合が急激に上昇した。また、アワビの成長が停滞する夏期にビブリオ属のアルギン酸分解菌の割合が低下した。一方、16S rRNA遺伝子に基づく解析では、大・小個体で優占する細菌種に明らかな違いが観察された。さらにトランスクリプトーム解析の結果、藻類由来の多糖分解酵素群の発現に違いは認められなかったが、大・小個体の発現遺伝子には明確な違いが認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
種苗生産過程で観察される著しい成長差についての研究は種苗生産技術の開発とともに始まり、生物学的に興味深く、かつ水産業としても重要である。一般に腸内微生物は培養が困難であるが、アワビの腸内細菌叢の中でアルギン酸分解という主要な機能をもつ細菌群は培養可能である。アワビ腸内細菌叢は培養法と非培養法の2つの手法で解析が可能な機能研究のモデルになると期待される。さらに、腸内細菌種間の協調関係はメタゲノムなどの解析では解明できない課題であり、学術的に意義がある。種苗生産過程における著しい成長差は、その要因と対処法の糸口が見つかれば、種苗生産の生産性向上に直結し、水産業界に与える影響は計り知れない。
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