研究課題/領域番号 |
17K07966
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営・経済農学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
品川 優 佐賀大学, 経済学部, 教授 (10363417)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | トゥルニョク経営体 / 直接支払い / 農業構造 / 二毛作 / 米 / 米農業 / 構造改善 |
研究実績の概要 |
本研究は,韓国において米を関税化した際に政府が打ち出した米産業発展対策による米産業の競争力強化の検証をテーマとしている。 2015年にミニマムアクセスの延長を打ち切り,関税化へ移行するなか,安価な輸入米による価格低下を懸念する農業者の不安解消も含め,規模の拡大と農業者組織,すなわちトゥルニョク経営体の育成を通じて韓国米産業の競争力強化を果たそうとしたものである。その一方で,韓国では継続して米の消費が減少し,米の過剰問題と米価の下落問題に直面していた。そこで,米の競争力強化を目的としたトゥルニョク経営体も,米から他作物への転換をおこなう組織も推奨することで,米の競争力強化というよりも米過剰問題の抑制の側面が強まっている。 さらには,2020年から6つの既存の直接支払いを統合し,公益型直接支払いに一本化し導入している。これは基本型と選択型で構成され,基本型は0.5ha以下の農家には地目・品目を問わず一律120万ウォンを交付するものである。ストレートにいえば,交付金を得られることにより小規模農家が継続し,競争力強化,すなわち規模拡大志向農家への農地流動は緩やかになるとともに,小規模農家自体も競争力強化を追求するインセンティブは特にはみられない。 このような国農政全体の方向転換,すなわち規模の大小,競争力の有無にかかわらず,農業生産活動を適切におこなうことで農業による公益性が発揮され,国民全体がその恩恵を受けることから直接支払いを通じて農業者に公益性の対価を支払う方向に動いている。そのことで,小規模農家を含め韓国農業を全体で支えるという視点は強まったが,規模の拡大や生産組織化による競争力強化という点では,米産業発展対策とは異なるベクトルへ進んでいることが明らかとなった。
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