研究課題/領域番号 |
17K07991
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会・開発農学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
本台 進 神戸大学, 国際協力研究科, 名誉教授 (70138569)
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研究分担者 |
中村 和敏 長崎県立大学, 地域創造学部, 准教授 (40304084)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 所得格差 / 労働分配率 / 労働市場構造 / 労働の限界生産力 / 教育の収益率 / 実質賃金率 / 学歴別賃金格差 / 雇用形態別賃金格差 / 労働市場の構造 / 付加価値配分 / 稲作生産関数 / 過剰就業 / ルイス転換点 / 付加価値の分配 / 労働の限界生産性 |
研究成果の概要 |
農業労働力の限界生産性が農業賃金率と等しくなった州もあるが、まだ多くの州においては、前者が後者を下回り、過剰就業状態が続であることが確認できた。このため農業から非農業へ労働力の移動は非常に弾力的であり、製造業における未熟練労働力の賃金率はまだ政府の定める最低賃金率に等しく、実質賃金率が上昇していない。こうした状況のため、技術進歩により労働生産性が上昇しても、労働分配率が低下し、それが所得格差悪化の要因であることが分かった。逆に、農業労働力が労働過剰から不足へ転換した州においては、労働生産性上昇と共に実質賃金率が上昇し、それに伴い労働分配率が上昇し、所得格差の縮小が確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成果の重要な意義は、開発途上国における所得格差の拡大は、経済発展に伴う農業や製造業の生産構造の変化により、生産要素に対する付加価値分配が変化し、そのために発生していることを探し当てたことである。特に農業における過剰就業によって生じる労働分配率の低下が、所得格差拡大や貧困問題の根源であることを証明した。 したがって、これらの問題に対する根源的な解決策は、農業における過剰就業の解消である。具体的には労働の過剰就業から不足への転換点の到来をできるだけ速くし、実質賃金率が上昇するように経済構造を変革し、労働分配率が上昇するような生産構造へ移行させる方策が重要であることを研究成果は示唆している。
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