研究課題/領域番号 |
17K08040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生産科学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
佐藤 幹 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20250730)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 抗酸化 / 乳牛 / ルーメン微生物 / トレハロース / 畜産学 / 応用動物 / 微生物 / 発現制御 |
研究成果の概要 |
乳牛の酸化ストレスは、生産性の低下の要因となるだけでなく、乳質、特に酸化臭を引き起こす原因となり、酪農産業における大きな問題となっている。我々は、乳牛用配合飼料にトレハロースを添加することがこの問題解決に有効であること実証してきた。本研究では、なぜトレハロースが抗酸化活性を持つのかを明らかにすることを試みた。本研究から、トレハロースは、乳牛のルーメン内の微生物、特にルーメンプロトゾアに作用し、プロトゾアが生産する分子が吸収され、乳腺細胞に作用して乳の抗酸化を向上させることが明らかとなった。以上の結果は、栄養―微生物―宿主―生産物の相互作用により発現する新たな抗酸化機構を提示するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、牛の健康を守り、ヒトに品質の高い乳や乳加工品を供給するための基礎試験を行ったものである。これまで、体の酸化ストレスを低減させる抗酸化栄養素は、小腸でそのまま吸収され、体内で抗酸化物質として機能することがほとんどであった。一方、本研究で対象としたトレハロースは、反芻動物のルーメン内微生物によって代謝され、その代謝産物が体内に移行して、細胞の遺伝子発現を変化させ、抗酸化を発揮するといった、非常に珍しい抗酸化機能を発揮することが明らかとなった。よって、本研究の成果は、学術的にも価値があり、また、この新奇な作用機作によって、抗酸化ミルクを提供する手法を確立した点で、社会的価値も高い。
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