研究課題/領域番号 |
17K08086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
獣医学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
酒井 健夫 日本大学, 生物資源科学部, 名誉教授 (50147667)
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研究分担者 |
伊藤 琢也 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20307820)
鈴木 由紀 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (30712492)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 吸血コウモリ / 狂犬病ウイルス / 分子疫学 / 次世代シーケンサー / 進化 / 疫学 |
研究成果の概要 |
本研究は吸血コウモリ由来狂犬病ウイルス(RABV)の拡散を分子疫学的に解明する目的で、RABVゲノムの次世代シーケンサー(NGS)による解読を進めた。NGS解析で未解読の領域はサンガー法により行った。分子系統樹解析の結果、食虫コウモリであるTadarida brasiliensisは北米から南米にかけて広範に分布しているが、吸血コウモリは、北中米に分布するT. brasiliensisの集団からRABVが伝播され、その後、RABVは南米に南下しながらブラジル各地の吸血コウモリ集団に拡散して、その過程で食果コウモリ(Artibeus属)にもRABVが伝播したことが推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、現在南米の家畜で流行している狂犬病の主要な媒介動物である吸血コウモリから分離された狂犬病ウイルスの分子疫学的解析を行ったことにより、その起源が北中米の食虫コウモリであることを明らかにした。分子系統樹解析の結果、この狂犬病ウイルスは中米から南米に吸血コウモリの集団に伝播する形で南下して拡散し、その過程で異種の食果コウモリへの伝搬が起こったと考えられた。このような吸血コウモリ由来感染症の拡散様式や異種伝搬を明らかにしたことは、現在課題となっている多くのコウモリ関連人獣共通感染症の制御を考える上で重要な情報を提供した。
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