研究課題/領域番号 |
17K08119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
統合動物科学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
室井 喜景 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80552760)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | オキシトシン / 養育行動 / 攻撃行動 / 背側縫線核 / マウス / 室傍核 / 授乳行動 / 神経科学 / 脳・神経 |
研究成果の概要 |
オキシトシンは射乳を促すホルモンであり、エネルギー収支面では仔へのエネルギー投資を促す働きを持つと言える。我々はオキシトシンは射乳だけでなく仔育て行動にも作用しエネルギー投資を促す働きを持つ可能性を考え本研究を実施した。その結果、背側縫線核でオキシトシンが作用することで絶食条件下でも母マウスは仔育て行動を発現することが分かった。十分な食餌条件下の仔育てにこの働きは必要ないことから、厳しいエネルギー条件下でも仔にエネルギーを分け与える性質を制御していると考えられる。また本研究課題では背側縫線核で仔育て行動と攻撃行動を相反的に制御する神経機構を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
哺乳類の母親は乳を介してエネルギーを仔に分け与える。特に栄養状態が良くない場合は授乳は自分の生存に望ましいことではない。しかし母親は仔を捨てずに授乳し続ける。このような自己犠牲的な母親の性質を司る神経機構を明らかにする目的で本研究を実施した。仔育て中の母マウスを用いた実験から、オキシトシンが背側縫線核に作用することで低エネルギー条件下でも仔育てを継続することがわかった。また本研究では仔育て行動だけでなく、仔や縄張りを守るための行動である母親の攻撃行動の発現も背側縫線核で制御されていることがわかった。本研究は人の子育てや獣医学領域の諸問題への対策の基礎となると考えている。
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