研究課題
基盤研究(C)
医薬品適用剤形として汎用される錠剤は,通例,粉体や顆粒の圧縮により製造されている。そのため錠剤内部には応力が残留し,このことが錠剤の重要品質特性(CQAs)に大きな影響を及ぼす。本研究では,モデル錠剤の硬度と崩壊時間をCQAsとし,Drucker-Prager capモデルを利用した有限要素法により残留応力を推算した。応力推定値を予測因子として深層学習とスパースモデリングを適用しCQAの予測を試みた。その結果,いずれのCQAsも高精度に予測され,予測に寄与する応力残留部位を同定することができた。残留応力の強弱は錠剤の処方に依存するが,その分布状態は錠剤形状にとよく影響されることが示唆された。
医薬品のおよそ50%は錠剤として投与されている。錠剤には,投与量を計数により調節できる,服用しやすい,携帯に便利である,安定性を担保しやすい等,多くの利点がある。しかし,その製法は複雑で,様々な処方成分と複数の工程を経て製造される。そのため,品質に優れる錠剤の製造には,現状では経験的要素が多く含まれる。本研究では,錠剤内部に残留する圧縮応力や引張応力に着目し,その強度と分布状態が,錠剤の重要な品質に及ぼす影響をAI技術を駆使することにより解明した。これより品質に優れる錠剤の設計を科学的根拠に基づいて実施することが可能となり,学術的意義に加え,社会的にも意義ある研究成果を得ることができた。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 3件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 13件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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