研究課題
基盤研究(C)
我々はBLT1の希有な活性制御機構を発見した。この情報伝達機構には BLT1のリン酸化が重要な意味を持つ。我々はBLT1の全リン酸化部位を決定し、同時に、以下の知見も見出した。① BLT1は活性化後も細胞内移行せずに細胞表面に留まる、② 低濃度LTB4で高親和性BLT1を活性化するとリン酸化が始まり、その後周辺LTB4濃度を徐々に高めると、このリン酸化度合は段階的に亢進する、③ BLT1はリン酸化度合の亢進に伴い、リガンド親和性が低下する。本研究では、こうしたLTB4濃度に依存した段階的リン酸化亢進と親和性低下がBLT1機能にどう寄与し、生理的に如何なる意義があるのか、その一旦を明らかにした。
炎症時、局所で産生されたLTB4は血中に放出され、好中球はこの際のリガンド濃度勾配を頼りに局所へ向かう。これまでこの濃度勾配は遊走の方向指示のみに重要とされてきたが、我々はこれに新たな意義を加える。BLT1を介して好中球に局所応答の開始時期を伝える意義である。低親和性化したBLT1が濃度勾配の中で再活性化されうる高いLTB4濃度に到達することで、この低親和性型を介して高親和性型とは異なる情報伝達が作動し、局所応答が開始されるという考え方である。この仕組みは全く新奇なシグナル伝達調節の発見である。
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