研究課題/領域番号 |
17K08324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理系薬学
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研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
大野 行弘 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (00432534)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | シナプス分泌 / シナプス小胞タンパク質2A(SV2A) / 精神障害 / 側坐核 / ドパミン遊離 / GABA遊離 / 統合失調症 / ミスセンス変異 / シナプス小胞タンパク質(SV2A) / マイクロダイアリシス / Fosタンパク質発現 / 驚愕反応試験 / プレパルス・インヒビション / 幼若期隔離飼育ストレス / 情動障害 / 攻撃行動 / シナプス小胞蛋白SV2A / 精神疾患 / メタンフェタミン |
研究成果の概要 |
精神疾患の発症感受性に対するシナプス分泌障害の影響を明らかにするため、シナプス小胞タンパク2Aの遺伝子(Sv2a)にミスセンス変異を導入したSv2a変異ラットを用い、その脳機能を解析した。その結果、Sv2a変異ラットがメタンフェタミンに高い反応感受性を示すこと、驚愕反応プレパルス抑制に障害を呈すること、幼若時の隔離ストレス負荷により激しい攻撃行動を起こすことなどが示された。また、Sv2a変異ラットでは側坐核神経の活動が過剰に上昇しており、ドパミンのシナプス分泌が亢進していること、さらに、このドパミン遊離の亢進が側坐核GABA介在神経のシナプス分泌障害に起因することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、神経伝達物質の開口分泌機構の障害が精神疾患の発症脆弱性に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。特に、開口分泌機構を促進的に調節するシナプス小胞タンパク質2A(SV2A)が大脳辺縁系側坐核においてGABAおよびドパミンのシナプス遊離を制御しており、SV2Aの機能障害が統合失調症など精神障害の発症を高める可能性が示唆された。近年、ヒトにおいてもSV2A遺伝子の変異がてんかんや精神障害を誘発することが報告されており、本研究成果はシナプス分泌障害に起因する精神疾患の病態メカニズムに関する重要な情報を提供するもので、その社会的意義は非常に大きいと考えられる。
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