研究課題
基盤研究(C)
和漢薬をはじめとする伝統薬物は、西洋医学で用いられる薬物では治療困難な疾患に対しても効果を示す例が数多くある。一方で、伝統薬物は含有成分が多く,そのことが薬理作用の包括的理解並びに治療薬としての有効性を提示することを困難にしている。本研究期間内に我々は知母に含まれるチモサポニンA3は低分子量GTP結合タンパク質Racの上流で、またオウゴンに含まれるバイカレインはRacの下流情報伝達経路を阻害することにより、細胞形態・細胞運動の抑制活性を有することを見出した。
漢方の基本原理とされている理論は、経験的に後付けされたものが多い。しかし、その作用は多彩で、有効であることも広く理解されている。本研究では、漢方薬に含まれる天然化合物の漢方薬を効果的に処方するには、含まれる天然化合物の作用を明らかにすることが不可欠であり、本研究は、漢方薬の作用の科学的に理解を深めることに貢献したものと考えている。
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