研究課題
基盤研究(C)
テイ-サックス病のうち残存活性を有する患者に対し、適切な三次元構造の形成を手助けするシャペロン療法の確立を目指し、本療法に最適な高親和性シャペロン化合物の創製を行った。親和性に必要なリガンド-アミノ酸の相互作用について解析を行った結果、高親和性を得るためにはArg178, Asp322, Tyr421、Glu462と水素結合を形成すると共にTrp460とcation-π相互作用が必要である事を初めて見いだした。最終的にデザインしたDMDP amideは濃度依存的に患者由来G269S変異細胞のβ-hexosaminidase A (HexA)を上昇させ、正常細胞の43%まで酵素活性を回復させた。
Tay-Sachs 病はHex Aの 活性低下に起因する疾患であり、厚生労働省難治性疾患等政策研究事業対象の稀少疾患に指定されている。従来用いられてきた酵素補充療法は、抗体の産生や副作用の問題など克服すべき点が多くあった、本研究では患者自身が持つ不安定な変異酵素を安定化させる化合物を創製し、有効性及び安全性に優れた薬剤の創製を目指した。我々がデザインし合成した化合物は濃度依存的に患者由来G269S変異細胞のHex Aを上昇させ、正常細胞の43%まで酵素活性を回復させた。以上の結果から、本化合物は、最初のTay-Sachs病に対する実用的なシャペロンとして期待される。
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すべて 国際共同研究 (12件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 15件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)
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