研究課題
基盤研究(C)
アレルゲンや環境因子と病原体センサーを含めた2型免疫応答の関与について未だ明らかになっていない。さらに常在細菌である黄色ブドウ球菌は、アトピー性皮膚炎の発症や悪化と相関があるとされているが、その詳細な分子機構は明らかになっていない。今回、我々は黄色ブドウ球菌由来の分子であるα-ヘモリジンやSSL12が、IgE非依存的にマスト細胞を活性化し、化学伝達物質やサイトカイン産生を誘発することを報告した。これらの結果は、細菌由来分子がマスト細胞などの自然免疫細胞を活性化し、アレルギー性疾患などの発症や炎症の慢性化に関与している可能性を示唆している。
本研究課題では環境因子による自然免疫細胞群の活性化と免疫バランスには偏りが生じうること、そしてそれが各種免疫疾患のQOLに影響することに注目した。これまで不明であった細菌と宿主免疫細胞の相互作用を明らかにする研究から、疾患の基礎研究と常在細菌の分類や性質を解析することによって、感染症や免疫反応の理解と臨床薬学への応用が本研究の成果として期待される。また、本研究課題の解析により、免疫細胞や組織細胞の制御をターゲットにした新規免疫制御方法の開発が可能となり、これまでの治療法に加えたアレルギー,自己免疫疾患,感染防御の新規治療,予防法の開発に対して指針を与えることにつながる。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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