研究課題/領域番号 |
17K08508
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中野 知之 山形大学, 医学部, 准教授 (00333948)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脂肪組織 / ベージュ化 / ジアシルグリセロールキナーゼ / 高脂肪食 / 寒冷暴露 / 脂肪細胞 / 体温産生 / インスリン / 褐色化 / 体温 / 形質転換 |
研究成果の概要 |
ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)は、DGのリン酸化を介してエネルギー代謝と細胞内情報伝達系を調整する。DGKεは、細胞内での脂質合成部位である小胞体に局在することから、本プロジェクトではDGKε遺伝子欠損マウスを用いた研究を行った。同マウスを高脂肪食で長期間給餌すると、精巣上体白脂肪組織に褐色化が生じることが明らかとなった。寒冷暴露実験においては、同マウスは寒冷刺激に脆弱であることが示唆され、体温低下を補うためベージュ化が生じることが明らかとなった。本プロジェクトにより、高エネルギー負荷や寒冷暴露などの生体刺激により、DGKε欠損は脂肪組織における形質転換を惹起することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白色脂肪組織中に褐色脂肪細胞が誘導される褐色化は、肥満治療の観点で注目を集めているが、脂肪細胞の形質転換メカニズムという基礎的な、解剖学的に興味深い現象である。本研究プロジェクトの結果から、高エネルギー条件や寒冷環境において、DGKe欠損によるDG代謝の低下が褐色化を促進するという新規メカニズムが明らかとなった。特に、高エネルギー条件においては、DGKeと同じく小胞体に局在するシクロオキシゲナーゼ2依存的に褐色化が生じることは、小胞体における脂質代謝が褐色化に影響を与える点で興味深い知見である。
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