研究課題/領域番号 |
17K08542
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
多久和 典子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (70150290)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マクロファージ / 脂質メディエーター / 遺伝子改変動物 / 遺伝子改変マウス / 細胞系譜特異的遺伝子改変マウス / 炎症 / がん血管新生 |
研究成果の概要 |
脂質メディエーター、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)は、スフィンゴシン・キナーゼ(SphK1およびSphK2)により生成し、細胞膜受容体(S1P1~S1P5)を介して多彩な作用を発揮する。本研究は、マクロファージの機能調節にスフィンゴ脂質シグナル伝達系がどのようにかかわっているのかを検討した。その結果、抗がん剤ブレオマイシンにより誘発される肺線維症がマクロファージに発現するS1P2の働きにより顕著に増悪すること、また、高脂肪食による粥状動脈硬化がマクロファージのSphK2の欠如で顕著に増悪することを見出した。これらの知見は新な治療戦略の可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
S1Pは5つの受容体サブタイプを介して多彩な生物効果を発揮し、様々な病態への関与も明らかにされつつある。本研究は第一に、マクロファージのS1P2受容体が肺線維症の増悪に関与することを明らかにし、S1P2特異的遮断薬が肺線維症の治療薬の候補となる可能性を提示した。第二に、これまでその機能が十分明らかでなかったS1P産生酵素の一つSphK2が、S1P産生以外の機序で粥状動脈硬化の進行抑制に働いていること、その分子機構として、粥状動脈硬化の主役(泡沫細胞)であるマクロファージにおいて、貪食脂肪滴のオートファジー-リソソーム系による分解・処理機能遂行に、細胞内のSphK2が必要なことを明らかにした。
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