研究課題/領域番号 |
17K08626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
赤木 紀之 金沢大学, 医学系, 准教授 (70532183)
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研究分担者 |
横田 崇 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (50134622)
上田 篤 金沢大学, 医学系, 助教 (90728560)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 多能性幹細胞 / がん遺伝子 / 転写因子 / 遺伝子発現 / ES細胞 / ES細胞 / 自己複製 / 多分化能 |
研究成果の概要 |
多能性幹細胞である胚性幹細胞(ES細胞)は、自己複製能と多分化能を保持した細胞株である。マウスES細胞はサイトカインLIF刺激により、転写因子STAT3が活性化され自己複製が維持される。我々を含め世界中の研究者が、STAT3やそれに関連する転写因子を手掛かりに、自己複製機構の分子基盤の解明に取り組んできた。興味深いことに、ES細胞にはがん細胞と類似点があることが指摘されている。また最近の研究から、ヒトがん組織において様ざまな変異型STAT3が報告されている。そこで本研究は、がん細胞で認められた変異型STAT3に着目し、がん遺伝子を介した新たな自己複製制御機構の解明を目的とする。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変異型STAT3をES細胞に過剰発現させると、LIF非依存的な自己複製が観察された。これらの細胞はLIF非存在下でアルカリフォスファターゼ陽性で、未分化マーカー遺伝子の発現も認められた。変異型STAT3の機能は、STAT3遺伝子破壊ES細胞でも観察できた。さらに興味深いことに、変異型STAT3はLIF非存在下でES細胞の増殖能を促進する機能があることを見出した。このことから、変異型STAT3はLIFに依存することなく、ES細胞の自己複製を維持する機能が示された。これは、がん細胞で認められる遺伝子発現制御機構をES細胞内で再構築することで、ES細胞の幹細胞性を模倣できている可能性を示唆する。
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