研究課題
基盤研究(C)
ミトコンドリア膜を構成するリン脂質の主成分はホスファチジルコリン(PC)である。しかし、ミトコンドリアは PC を生合成できないため、脂質合成器官である小胞体（ER）からPCを輸入している。本研究では、これまでの研究で研究代表者が見出した新規タンパク質StarD7がPC をERからミトコンドリアへ輸送する分子基盤について明らかにした。さらに、筋芽細胞において本タンパク質を欠失すると、ミトコンドリアの機能が低下し、筋管繊維への分化が顕著に抑制されることを見出した。
ERなどのオルガネラからミトコンドリアへのPC輸送機構は細胞生物学や脂質生化学において重要な研究課題の一つであるが、長い間解明されていなかった。今回、研究代表者が先行研究で見出したタンパク質StarD7が上記輸送機構の一端にかかわることを分子のレベルで明らかにした。ところで、ミトコンドリア病を引き起こす原因遺伝子の変異は未だ多くが不明である。本研究ではStarD7によるPC輸送機構が破綻すると、ミトコンドリアの機能低下が生じ、筋細胞の分化能が著しく阻害されミオパチーの原因になり得ることを示唆した。
すべて 2020 2019 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件)
Journal of Lipid Research
巻: 61 号: 8 ページ: 1221-1231
10.1194/jlr.ra120000898
Scientific Reports
巻: 10 号: 1 ページ: 2845-2845
10.1038/s41598-020-59444-y
巻: 59 号: 6 ページ: 1-12
10.1194/jlr.p081620
巻: 7(1) 号: 1 ページ: 8793-8793
10.1038/s41598-017-09205-1
巻: 7 号: 1 ページ: 1-9
10.1038/s41598-017-09980-x
