研究課題/領域番号 |
17K08668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
渡部 博貴 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (30422413)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / iPS細胞 / シナプス / プレセニリン / 神経科学 |
研究成果の概要 |
PS遺伝子のヒト神経細胞での生理的機能を検討するため、CRISPR/Cas9系を用いて、健常人由来ヒト人工多能性幹細胞(iPSC)からPS条件的ノックアウトiPSCを作製した。これらのiPSCを大脳皮質神経細胞へ分化誘導し、Cre発現レンチウイルスを感染させることで、神経細胞でのPS発現を消失させることに成功した。これらのPSノックアウト神経を用いてAβ産生を測定したところ、PS1/PS2の両方ともノックアウトした神経細胞のみAβの低下が認められた。マウスでのAβ産生には主にPS1が重要であることから、ヒト神経細胞ではマウスとは異なるPS/γセクレターゼの性質を持つことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルツハイマー病(AD)の臨床・病理診断には長らく老人斑や神経原線維変化の責任分子であるAβやタウが用いられており、ADの発症や進展に関与していると広く受け入れられている。しかし、家族性ADで同定されている変異の大部分はPS遺伝子であるにもかかわらず、老人斑や神経原線維変化への寄与がマウスでは顕著ではなかった。本研究成果は、ヒト人工多能性幹細胞を用いることでヒト神経細胞でのPSの生理的機能を探求し、ヒトとマウスでのAβの産生能に対するPSの機能に差があることが分かった。AD発症におけるPS変異の機能的な影響を解明していくことは、画期的なAD治療薬の創出に繋がることが考えられる。
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