研究課題/領域番号 |
17K08680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
萩山 満 近畿大学, 医学部, 助教 (60632718)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 細胞変性 / 内圧上昇 / 神経・上皮変性 / 酵素的切断 / Hippo経路 / 細胞形態 / 変性 / 細胞骨格 / 神経変性 / 接着分子 / shedding / アポトーシス |
研究成果の概要 |
緑内障や腸閉塞などでは内圧上昇によって細胞変性が生じるが、その分子機序は未解明である。この現象を検証するため、独自に考案した培養系を樹立した。円柱形の形態を示す上皮細胞では、圧上昇に随伴して細胞増殖が抑制された。細胞は扁平化し体積が増加したため、細胞骨格であるアクチン線維の分布が疎になることを見出した。また、Hippo経路の主要分子であるYAPのリン酸化が亢進し、細胞質局在量が増加していた。以上より、円柱形の上皮細胞ではその増殖に細胞形態と細胞骨格とが深く関わることが明らかになった。内圧上昇はこの連関及びHippo経路に直接的に作用し上皮変性を惹起すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内圧上昇による組織・細胞傷害は古くより知られており、その病理学的な組織所見も詳細に記述されているが、傷害発生の分子機序に関する研究は少ない。その主たる理由の1つは、発症原因となる内圧上昇が疾患や病態に関わらず非常に小さく、その軽微な加圧を可能にする培養装置が一般的には普及していないからと思われる。申請者らが考案した培養装置は、非常に安価でありながら、静的圧力の大きさを容易かつ任意に設定可能であり、速やかに普及して広く用いられるものと思われる。緑内障などの発症の分子機序解明に貢献するものと期待され、発症機序に基づく創薬シーズの探索へと発展する可能性を秘めており、社会還元の点でも意義深い。
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