研究課題
基盤研究(C)
次世代シーケンサーを用い、SNPアレルに応じて変化するクロマチン3次元構造を検出する手法を開発し、9p21領域の子宮内膜症感受性SNPによって、転写因子結合からクロマチン相互作用を介して遺伝子発現に至る一連の転写制御プロセスに、アレル間不均衡が生じていることを実証した。さらに、子宮内膜症GWASで同定された他の感受性領域における発現調節機構を明らかにした。また、体細胞変異プロファイリングによる子宮内膜症発症メカニズム解明のため、卵巣子宮内膜症患者の病変部位および正常子宮内膜組織を用いたゲノム解析を行った。我々のゲノム解析は子宮内膜症発症における月経逆流説をゲノムレベルで支持する結果となった。
子宮内膜症は生殖年齢にある女性の約10%に認められる疾患であるが、発症原因は未だ不明である。我々の研究成果は生殖細胞系列の遺伝的多型と子宮内膜症への感受性に関わる転写制御メカニズムを明らかにした。また、子宮内膜における体細胞変異プロファイリングから、子宮内膜が月経血逆流を介して卵巣に生着・増殖する過程で、KRASなど癌関連遺伝子変異を有する腺上皮細胞が生存に有利となり、クローナルに増殖した結果、子宮内膜症発症に繋がったことを示した。生殖細胞系列および体細胞の両面から子宮内膜症発症機序を解明する研究基盤を作ることができた。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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