研究課題/領域番号 |
17K08697
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小山内 誠 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60381266)
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研究分担者 |
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 名誉教授 (30154149)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ビタミンA / レチノイン酸 / レチノイン酸代謝酵素CYP26 / 星細胞 / 腎メサンギウム細胞 / 糖尿病 / 糖尿病性腎症 / 腎不全 / 糖尿病腎症 / 実験病理学 |
研究成果の概要 |
本研究では,腎糸球体メサンギウム細胞を起点として,糖尿病性腎症の発症や進行を制御する基盤的な病態理解をめざす.糖尿病では,レチノイン酸を枯渇する腎糸球体内で,活性化メサンギウム細胞が誕生する.その結果,血管内皮細胞と足細胞からなる機能ユニット内で,毛細血管にあるタイト結合のバリア機能異常がおこる.そのため,血管透過性が亢進し,滲出性病変を形成する.進行期では,メサンギウム細胞は,過剰な細胞外マトリックスを産生し,腎組織の線維化が進行し,最終的に糸球体硬化症に至る.同概念に立脚し,糖尿病におけるメサンギウム細胞の機能異常を明らかにし,全く新しい治療戦略と予防法を探索するための基盤的情報を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
星細胞は,ユニークな機能的特徴を有するが,これまで,いわば脇役であった.しかし,さまざまな疾患病態を直接制御する主役の可能性がある.レチノイン酸を用いて,星細胞を起点に腎糸球体の機能異常を理解する試みは,これまで類をみない.また,星細胞を中心とする機能ユニット全体を薬理学的に制御する戦略は,チャレンジ性の高い研究プロジェクトである.星細胞を標的とし,糖尿病性腎症を治療または予防する戦略は,きわめて独創的であり,臨床的に重要である.事実,全透析患者の40%以上は,糖尿病性腎症が原因である.透析を導入する基礎疾患として最も多く,疾患の発症を制御する戦略の創出は,社会的に急務である.
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