研究課題/領域番号 |
17K08782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
瀬戸 絵理 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40431382)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 感染応答 / RNA顆粒 / P-body / Trypanosoma cruzi / P-body / mRNP / 感染症 / 寄生虫 |
研究成果の概要 |
P-body(PB)は細胞質に存在するRNA顆粒(mRNA-蛋白質複合体)のひとつで、mRNA分解などの翻訳制御機能をもつ。寄生原虫Trypanosoma cruzi(T. cruzi)感染の初期に形成されるPBの宿主mRNA代謝制御における役割を明らかにするため、PB形成能欠損細胞を作成し、トランスクリプトーム解析を行った。その結果、PB欠損細胞では原虫感染による炎症性サイトカインの発現や自然免疫関連シグナル経路の活性化が野生型細胞と比較して亢進していた。本研究の成果は、原虫がPB形成促進により宿主の自然免疫応答を負に制御して感染を成立させている可能性を示したものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
病原体が感染した細胞では、迅速かつダイナミックなmRNA 代謝調節により感染応答が惹起されると考えられるが、その制御機構については不明な点が多い。本研究により、原虫感染時に自然免疫応答に重要な複数の遺伝子の発現がPB形成依存的に抑制されていることが明らかとなった。このように、原虫が宿主の感染応答をPBによる遺伝子発現調節を利用して回避していることを示唆する報告はこれまでになく、mRNA代謝調節を介した宿主病原体相互作用について理解を深める一助となった。また、同定されたターゲット遺伝子のPBによる発現調節機構のさらなる解明により、その知見を基盤とした治療薬開発への応用につながることも期待できる。
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