研究課題
基盤研究(C)
食中毒原因細菌として知られる腸炎ビブリオは外的環境の物理化学的条件の変化によりその主要な病原因子である3型分泌装置(T3SS)の発現が変動する。本研究ではT3SS2のマスターレギュレーターVtrAが胆汁刺激より多量体化が促進され、標的プロモーター結合能が増加することで標的遺伝子に対する転写調節活性が上昇することを明らかにした。また外的環境の物理的条件変化に対するT3SS2の発現変動に関わる新たな制御因子を同定し、そのVtrAレギュロンに対する制御を明らかにした。
病原細菌は感染時の宿主内環境を感知し、感染に必要な病原因子を的確に発現させることで病原性を発揮していると考えられている。一方で腸炎ビブリオの病原性メカニズムの研究動向はその病原因子であるT3SSの作用の解析が主となり、その発現制御に対する理解は乏しい状況にあった。これに対し本研究成果は腸炎ビブリオの感染時の外的環境変化に応答した病原因子の発現制御の分子メカニズムの一端を解明し、腸炎ビブリオの病原性メカニズムの全体像の理解を進展せしむるものと考えらえる。
すべて 2020 2019 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Microbiology and Immunology
巻: 64 ページ: 167-181
Nature Microbiology
巻: - 号: 5 ページ: 781-788
10.1038/s41564-019-0368-y
mBio
巻: 9 号: 4
10.1128/mbio.01366-18
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 115 号: 28 ページ: 7422-7427
10.1073/pnas.1805671115
PLoS ONE
巻: 12 号: 11 ページ: e0187846-e0187846
10.1371/journal.pone.0187846
Infect Genet Evol
巻: 51 ページ: 211-218
10.1016/j.meegid.2017.04.007
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/achievement/research/2019/124