研究課題/領域番号 |
17K08837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 埼玉大学 (2018-2020) 獨協医科大学 (2017) |
研究代表者 |
大塚 裕一 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10548861)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | トキシン-アンチトキシン系 / 細菌 / ファージ / 抗菌ペプチド / 形質導入 / 大腸菌 / バクテリオファージ / ウイルス / 微生物 / 抗生物質 |
研究成果の概要 |
細菌のトキシン-アンチトキシン系(TA)は、ストレスを乗り越える戦略の一つとして自身の増殖を制御するしくみである。本研究では、まず腸管出血性大腸菌O157株がもつTAのZorOトキシンの作用機序を明らかにした。次に、ZorOの毒性に必要な5アミノ酸(Ala-Leu-Leu-Arg-Leu; ALLRL)が黄色ブドウ球菌(MRSAを含む)や枯草菌、カンジダ属の菌の細胞膜に作用して増殖を阻害することを明らかにした。一方、哺乳類細胞に対しては細胞毒性を示さなかった。最後に、TAが遺伝子水平伝播の一因となるファージの形質導入を抑制することを明確にした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代社会の問題である薬剤耐性菌や病原菌の蔓延は、菌の増殖に加えて、薬剤耐性遺伝子や病原遺伝子の水平伝播が要因になっている。その対策には、新規の抗菌物質や水平伝播を抑えるしくみの探索が求められる。本研究において、様々な菌に対して抗菌作用が明らかになったALLRLペプチドは新規抗菌薬の有用なシーズとして期待される。また、本研究ではTAが水平伝播の一因となる形質導入を抑えることを明確にできたので、今後TAを活性化する物質を発見できれば、薬剤耐性菌や病原菌の蔓延を抑える対策に応用できる可能性がある。
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