研究課題/領域番号 |
17K08871
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
棟方 翼 公益財団法人東京都医学総合研究所, 疾患制御研究分野, 主席研究員 (50420237)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肝炎 / B型肝炎ウイルス / E2F1 / 転写因子 / エンハンサー / HBV / プロモーター / E2F / cccDNA / ウイルス / B型肝炎 / cccDNA |
研究成果の概要 |
詳細な遺伝子解析の結果、B型肝炎ウイルス(HBV)のゲノムDNA上に転写因子E2F1の結合部位候補が5か所、全ての遺伝子型間で保存されて存在することを発見した。また、E2F1をノックダウンした細胞では、HBVのX蛋白質(HBx)と表面蛋白質の発現が抑制されることを見出した。これらの知見は、E2Fファミリーの転写因子がHBVの複製・感染に関与する可能性を強く示唆した。E2F1結合部位候補の中でもウイルスゲノムのエンハンサーI領域に存在する配列は、E2F1が直接結合してHBxの転写を活性化した。HBxのmRNAはHBV感染細胞で最初に発現することから、HBVの生活環の重要な点が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HBVによる持続感染者は世界で2億人以上おり、HBVは世界的に重大な健康問題の原因の一つである。ワクチン、インターフェロン、核酸アナログ製剤の開発により、新規の感染者は減少しHBV由来の肝臓病の発症も抑制されてきた。しかし、現行のいずれの治療法も、HBVのゲノムを完全排除できない。このゲノムからHBV mRNAが転写されてウイルス遺伝子の発現が続く限り、HBV感染は持続してB型肝炎が再発する場合もある。E2F1がゲノム安定性に必要であることを考慮すると、HBVのゲノムDNAの肝細胞での維持にE2F1が関与することが考えられる。従って我々の発見はHBV感染の新たな治療法の開発に繋がる。
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