研究課題/領域番号 |
17K08957
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
原 宏和 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (30305495)
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研究分担者 |
足立 哲夫 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40137063)
神谷 哲朗 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (60453057)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 硫化水素 / 亜鉛 / 銅 / 神経細胞 / 酸化ストレス / 活性イオウ分子種 / 神経細胞死 / 活性酸素 / 神経細胞保護 / 細胞死 / 細胞保護作用 / 神経変性疾患 |
研究成果の概要 |
硫化水素(H2S)は脳梗塞で認められる神経細胞傷害に対して保護作用を示すが、その機序には不明な点も多い。一方、脳梗塞で生じる脳内金属(Zn、Cuなど)の恒常性破綻は神経細胞傷害を引き起こすことから、これら金属は脳梗塞の増悪因子の一つに挙げられている。 本研究では、ZnおよびCuの神経毒性に対するH2Sの影響について検討した。H2Sは細胞内へのZn流入を抑制し、Znの神経細胞傷害を軽減した。しかし、Znの場合とは異なり、H2SはCuの細胞内蓄積を増大させ、Cuの神経細胞傷害を増強した。以上の結果から、H2Sは神経細胞における金属の動態の制御因子としての作用を有している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の実施により、H2Sが神経細胞内外のZnやCu動態の制御因子として機能している可能性が示された。金属イオンの細胞内外の恒常性の破綻は、脳梗塞などの虚血性脳血管障害による神経細胞傷害以外に、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の発症とも密接に関連していることが報告されている。それゆえ、今回明らかとなったH2Sが金属イオンの細胞内動態を制御するというH2Sの新規機能は、神経変性疾患の病態解明のみならず、有効な治療薬が少ない神経変性疾患の新規治療薬の開発にも繋がる重要な知見となると考えられる。
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