研究課題
基盤研究(C)
アミロイドーシスはタンパク質がアミロイド線維へと変化し、諸臓器に沈着することで臓器障害を引き起こす疾患群である。我々は、新規アミロイド原因タンパク質、EFEMP1を同定したが、本アミロイドーシスの病態は不明なままである。本研究では、EFEMP1アミロイドーシスの病態の一端を明らかにした。①EFEMP1アミロイドの沈着頻度・沈着量は加齢とともに増加する。特に消化管や肺で高頻度に認める。②EFEMP1のC末端領域がアミロイド形成能が高い。③本アミロイド沈着部位に多数の分泌タンパク質が存在する。④本アミロイドはコンゴーレッド染色での染色性が乏しく、FSB染色と免疫染色が病理診断に有用である。
本研究では、新規アミロイド原因タンパク質としてEFEMP1を同定し、本アミロイドーシスの病態の一端を明らかにした。これまで、長年見過ごされていた病態を解明できたことで、本研究の成果は、今後の治療法や検査法の開発に繋がると考えられる。また、本研究成果が評価され、EFEMP1は新型のアミロイド原因タンパク質として、国際アミロイドーシス学会のアミロイド分類委員会より承認を得た(*Benson et al., Amyloid 2020)。アミロイドーシス研究において、新たなアミロイド原因タンパク質を見出したことは極めて重要な成果であり、アミロイド形成メカニズムを明らかにするのに役立つことが期待される。
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