研究課題
基盤研究(C)
今回の研究により2つのテーマの論文を完成させた。1つは、パクリタキセル (PTX) 耐性前立腺癌細胞株 PC3-PRと親株 PC-3 を用いて、スフィンゴ脂質代謝系の変化がPTX耐性化機序に関与しているかを検討し、複数の代謝酵素の発現及び酵素活性の変化がPTX耐性化に関与する事を明らかにした。2つ目は、植物ファイトケミカルであるレスベラトロール (RVT) 及びその2量体から8量体まで15種の細胞障害作用を検討し、RVT4量体VTCの優れた殺細胞効果を確認した。さらに複数の抗がん剤耐性株での有効性とその作用がアポトーシスによる事を確認した。
今回の研究により、抗がん剤耐性腫瘍細胞におけるスフィンゴ脂質代謝の変化がその抗がん剤耐性の一因となっている事が明らかになり、sphingosine kinase 1あるいはglucosylceramide synthaseの阻害剤あるいはsiRNAが抗がん剤耐性をある程度克服出来る事を示した。更にファイトケミカルであるレスベラトロール4量体のバチカノールCが、レスベラトロールよりも低濃度で強力な殺細胞効果を示す事、さらにはその効果発現にもバチカノールCがスフィンゴ脂質代謝酵素の発現レベルを修飾する事が一因である事を証明した。我々の研究が、将来の臨床応用にむけて追求すべき研究分野を提示した。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)
Nagoya Journal of Medical Sciences
巻: -
120006847437
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