研究課題/領域番号 |
17K09048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
疼痛学
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
戴 毅 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (20330441)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病性ニューロパチー / Nedd4-2 / AMPK / 糖尿病性疼痛過敏 / TRPA1 / DRG / diabetic neuropathy |
研究成果の概要 |
本研究はまず、感覚神経細胞に発現する疼痛センサーTRPA1チャネルの内向き電流がAMPKの活性化によって抑制する現象を突き止めた。つぎに、AMPKが活性化すると神経細胞全体におけるTRPA1の発現量が変化しないものの、細胞膜上における発現量は減少することを明らかにした。さらに、糖尿病モデルマウスにおいて、知覚神経におけるAMPK活性の低下や機械刺激に対する疼痛過敏が血糖値に依存的に発生したことや、疼痛過敏はAMPKの活性化によって軽減することを明らかにした。 これらの結果は、生体におけるAMPKはTRPA1に対して負の制御を行うことを示唆し、有痛性糖尿病性神経障害の新しい発症機序を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、感覚神経に発現している疼痛センサー(TRPA1)は、エネルギー代謝センサー(AMPK)とそのシグナルによって負の制御を受ける新しい生理現象を解明した。本研究成果は、糖尿病や肥満症など体内エネルギー代謝異常による感覚神経機能の変調(疼痛過敏など)の発症機序を示唆した。また、メトホルミン(商品名メトグルコ)など細胞AMPKシグナルをコントロールする薬剤の疼痛緩和効果が証明された。 今後、これに基づく疼痛治療薬の開発や、既存AMPK薬剤の適応拡大に繋がる臨床試験が期待され、糖尿病性ニューロパチーの患者にとって希望をもたらすであろう。
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