研究課題
基盤研究(C)
関東近郊の地域中核病院7施設で、清潔整形外科手術を対象とした多施設共同前向き観察研究を行い、術後30日以内の手術部位感染や死亡を含む合併症のリスク探索を行った。整形外科全体では、手術終了時正常体温(36℃以上)が死亡リスク軽減と強く関連していることが明らかになった。また、脊椎手術では手術時間180分以上、出血量500ml以上,8-10月手術、糖尿病が深部SSIリスクであった。正常体温維持、手術時間、出血量などは調整可能なリスクであり十分な介入が必要と言える。また、脊椎後方手術で術後合併症リスクを予測できるスライディングスケールを考案した。これらは、より安全な手術を行うための一助となるだろう。
未曽有の高齢化と共に、脊椎後方手術の重要性は増している。しかし、脊椎後方手術は手術侵襲が大きく、術後合併症リスクが高いことも問題となっている。本研究を元に術後リスクを予測し、無理な手術計画を控えていただくことで、高齢者に対しより安全な脊椎後方手術が行われるようになるのではないかと考えている。今後もさらに解析を行い、SSIを中心とした整形外科術後合併症の特徴を正確につかみ、我々がより安全な手術を行っていくために必要な様々な情報を提供し、将来的により実践的な予防策につながる提案をしていきたい。また、本解析結果から得られた様々な仮説を検証すべく、今後はより検証的な研究を進めていきたいと考えている。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 1件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (27件) (うち国際学会 5件)
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