研究課題/領域番号 |
17K09154
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学・公衆衛生学
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
崔 正国 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (90572115)
|
研究分担者 |
稲寺 秀邦 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (10301144)
小川 良平 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60334736)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | フェンバレレート / がん / 糖代謝 / ピレスロイド系農薬 / インスリン / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 2型糖尿病 / インスリン受容体 / インスリン受容体基質 -1 |
研究成果の概要 |
本研究では、Ⅱ型ピレスロイド系農薬であるフェンバレレートががん細胞の糖代謝とストレスの応答能力に及ぼす影響について解析した。ヒト肝がん由来細胞株であるHepG2細胞をフェンバレレートにより48時間前処理するとワールブルク効果に類した現象が認められた。グルコーズの取り込みが顕著に増加され、ATPと乳酸の産生が有意に増強し、酸素の消費が減少した。メトホルミンによるHepG2細胞の細胞死はフェンバレレートの前処理により抑制された。また、PI3K-AKTおよびAMPKシグナル伝達経路の活性化がその分子メカニズムの一部分を担うことが判明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピレスロイド系農薬は家庭用あるいは果実や野菜の農業生産用に広く利用される殺虫剤である。実験動物等において神経系や生殖ホルモン系統への悪影響が報告されているが、糖代謝に及ぼす影響については不明な点が多い。本研究は、フェンバレレートの曝露ががん細胞の糖代謝に影響を及ぼすことによりワールブルク効果に類した現象を引き起こし、抗がん剤における細胞死の抵抗性を誘発することを見出し、さらにその分子メカニズムの一部を解明した。それは、ピレスロイド系農薬を使用する農業従事者の健康を守るために重要な情報を提供することと考えられる。
|