研究課題
基盤研究(C)
癌遺伝子 RET を導入したモデルマウスを用いて、良性腫瘍からメラノーマに悪性転化する際に、発現量が変化する分子の網羅的解析を行った。いくつかの発癌を制御している可能性がある分子候補が得られた。それらの分子を siRNA や阻害剤などを用いて発現を抑制すると、細胞増殖や細胞浸潤など、発癌機構に直接関与する現象が抑制された。腫瘍局所の微小環境に於いて、ある分子や炎症性サイトカインの発現が上昇することで、抗腫瘍免疫機構が正常に働かなくなり、腫瘍の免疫回避を後押しする現象が観察された。それらの分子や炎症性サイトカインの発現を抑制することで、腫瘍の免疫回避を抑制できる可能性が示唆された。
現在日本は超高齢化社会になりつつあり、癌に罹患する割合が高く、癌患者数は増加し続けている。癌は遺伝的、環境的要因により、誰しもが罹患する可能性がある。癌治療により、身体的、経済的、社会的損失は大きく、癌の克服は長年の夢である。我々の研究では、発癌制御分子の探索、新規薬剤による治療方法の開発、腫瘍の免疫回避メカニズムの一端を見出した。発癌や腫瘍の免疫回避を抑制出来れば、癌治療が軽減されるだけでなく、癌予防につながる可能性がある。癌予防は新しい考え方であり、今後も研究を推進していくべき分野である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件)
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