研究課題
基盤研究(C)
2010年から2019年の間に当教室で剖検された1902例中,50才以上で,かつ神経病理学的検索が可能であった1147例を対象とした(男性692例,女性455例,平均年齢73.3±11.3才)。自殺例は303例(男性127例、女性176例)であった。自殺例と非自殺例で、臨床、神経病理学的所見を比較したところ、精神科受診歴が自殺群で有意に高かった。また神経病理学的には,argurophilic grain desease の出現頻度が自殺例で有意に高かった。進行性核上性麻痺の頻度に有意差はなかったが,odd比は1.615とやや高かった。アルツハイマー病病変の程度には有意差なかった。
世界的に自殺剖検例の神経病理学的検索はほとんど施行されておらず、神経変性疾患と自殺との関連についてはほとんど検証されていない。本研究は現時点で最も多数の自殺剖検例に対し詳細な神経病理学的検討を行ったものと考えられる。本研究結果は高齢者において,一部の器質的神経疾患、特に嗜銀顆粒症(argyrophilic grain disease)が自殺遂行に寄与している可能性を強く示唆した点で非常に意義が深く,今後、高齢者に対し神経学的所見を正確に評価することが、正確な自殺リスクの評価、自殺予防につながっていく可能性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 1件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 4件、 招待講演 7件)
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