研究課題
基盤研究(C)
ホルマリン臓器の薬物分析強化のためLC/Q-TOF分析・ソフト解析を行い、検出された薬物、代謝物、他の化合物のDatabase Library(DL)を構築した。ACD/Meta Senseで保存肝Q-TOFデータの代謝物を予測した。Personal Compound DL(PCDL)に推定登録した未同定化合物確認のため4種の予測代謝物の標準品を使用した。更新PCDL検証のため既存Q-TOFデータで代謝物を検索するとクエチアピンの予測代謝物3種が同定された。In silico 解析を介した代謝物のQ-TOFデータの更新によりホルマリン臓器の薬物、代謝物検索に有用なDL構築が可能である。
ヒト臓器中の法医薬毒物分析は解剖直後あるいは凍結保存した組織などで実施するのが通例であるが剖検時に薬物使用が疑われず、その後の捜査等で薬物の関与が判明し長期間経過後に薬物分析検査やその分析結果の解釈について意見を求められる場合がある。ホルマリン臓器中の薬物分析では臓器と保存液の保存期間や代謝物をも鑑みた分析が重要である。本研究ではQ-TOF分析・解析ソフトにより薬物と代謝物の検索を実施した。In silico 解析を活用し代謝物のQ-TOFデータの更新と抽出法改良によってホルマリン臓器中の薬物および代謝物の検索により有用なデータベースライブラリの構築が可能であり、法医実試料への適用を目指す。
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