神経性やせ症の低栄養状態への治療―グレリン活性化や心肺運動負荷試験の臨床応用

• 研究課題/領域番号: 17K09340
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 内科学一般(含心身医学)
• 研究機関: 国立研究開発法人国立国際医療研究センター
• 研究代表者: 河合 啓介 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 心療内科医長 (80325521)
• 研究分担者: 山下 真 九州大学, 大学病院, 助教 (40770805) ; 田村 奈穂 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 心療内科医師 (10798383)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2022-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2021年度)
• 配分額: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円); 2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円); 2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円); 2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円); 2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
• キーワード: 神経性やせ症 / 心肺運動能力 / CPX / AT（anaerobic threshold）値 / 心肺運動負荷試 / 嫌気性代謝閾値 / AT: anaerobic threshold / 心肺運動負荷試験 / グレリン活性 / 中鎖脂肪酸 / 最大酸素摂取量 / 運動能力 / 摂食障害 / 栄養学 / ストレス

研究成果の概要

目的：神経性やせ症患者(AN: Anorexia nervosa)の心肺運動能力をCPX（cardiopulmonary exercise　training)によるAT（anaerobic threshold）値で評価した。結果：AN15名（ BMI15.7±1.7）健常者15名（年齢 BMI 19.7±1.8）のAT値は、それぞれ10.1±1.66、15.2±2.97 ml/kg/minであった。ANは健常者に比して有意にAT値が低下していた.
ATを 年齢、体重、BMI、体表面積,運動の既往などを 独立変数とする重回帰分析を行ったが、ATをCPX測定以外で推定できる因子は認められなかった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

ANはやせが要因の致死的疾患である。一方、その病態より、過活動になることも多い。客観的な指標で運動能力の指標を提示することは、患者のみならず治療者にとっても重要である。心肺運動能力をCPX（cardiopulmonary exercise　training)で測定した。予想とおりANの心肺能力は低下していた。BMI16前後の患者では、運動は平地歩行、ヨーガ、モップによる掃除に留めることが望ましい。すべての患者にCPXを施行するこはできないため、BMIや罹病期間などの因子で心肺能力を推定する研究も行ったが、本研究ではそれは明らかにはできなかった。

研究成果

• [雑誌論文] 心療内科医からみた思春期の摂食障害治療 ―認知行動療法の視点― (2021)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介，山本ゆりえ
  • 雑誌名: 子どもの心とからだ 巻: 29 ページ: 388-390
• [雑誌論文] 摂食障害の現状 肥満とやせの臨床－病態の解明と新たな治療法をめぐって (2021)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介
  • 雑誌名: Medical Practice 巻: 38 ページ: 994-999
• [雑誌論文] 緊急対応・入院が必要なケース (2021)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介
  • 雑誌名: 臨床と研究 巻: 38 ページ: 257-261
• [雑誌論文] 極度の低体重神経性やせ症患者の入院治療 (2021)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介
  • 雑誌名: 心身医学 巻: 61 ページ: 31-32
• [雑誌論文] 摂食障害支援ネットワークの現状とその課題―千葉県の摂食障害診療の調査― (2021)
  • 著者名/発表者名: 1.河合啓介, 伊藤沙織, 山本ゆりえ, 藤本晃嗣 田村奈穂 立森久照 安藤哲也
  • 雑誌名: 日本心療内科学会誌 巻: ２５ ページ: 10-18
  • 査読あり
• [雑誌論文] 1.Very long chain fatty acids are an important marker of nutritional status in patients with anorexia nervosa: a case control study (2020)
  • 著者名/発表者名: Miki Shimizu , Keisuke Kawai1, Makoto Yamashita , Masayasu Shoji , Shu Takakura , Tomokazu Hata , Megumi Nakashima , Keita Tatsushima, Kazunari Tanaka and Nobuyuki Sudo
  • 雑誌名: BioPsychoSocial Medicine 巻: １４
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Effectiveness of enhanced cognitive behavior therapy for bulimia nervosa in Japan: a randomized controlled trial protocol (2020)
  • 著者名/発表者名: Chisato Ohara, Atsushi Sekiguchi, Shu Takakura, Yuka Endo, Naho Tamura, Hiroe Kikuchi, Kazushi Maruo,Norio Sugawara, Kenji Hatano, Hitomi Kawanishi, Misako Funaba, Ayako Sugawara, Nobuhiro Nohara, Keisuke Kawai, Shin Fukudo, Nobuyuki Sudo, Zafra Cooper, Kazuhiro Yoshiuchi and Tetsuya Ando
  • 雑誌名: BioPsychoSocial Medicine 巻: １４
  • NAID: 120007147876
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] 摂食障害患者の下剤乱用に対する病棟薬剤師介入の有効性 (2020)
  • 著者名/発表者名: 山本ゆりえ 田村 奈穂 庄子 雅保 河合啓介
  • 雑誌名: 心身医 巻: ６0 ページ: 719-727
  • NAID: 130007948852
  • 査読あり
• [雑誌論文] 1.Portal hypertension in prolonged anorexia nervosa with laxative abuse: A case report with liver and kidney biopsy data. (2020)
  • 著者名/発表者名: Aiko Koga, Masafumi Murakami, Yu Kurihra,; Tsuyoshi Ishida, Mariko Hosokawa, Naho Tamura,;Masatoshi Imamura, Keisuke Kawai
  • 雑誌名: ating and Weight Disorders - Studies on Anorexia, Bulimia and Obesity 巻: 26 ページ: 733-738
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 「こころ」と「からだ」をつなぐものー最近の遺伝学や精神神経免疫学らからの知見 (2020)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介 藤本晃嗣
  • 雑誌名: 臨床心理学 巻: 116 ページ: 155-160
• [雑誌論文] 摂食障害の生きつらさー代謝調節異常・精神疾患として摂食障害を考える-最新の遺伝子解析研究から (2020)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介 藤本晃嗣 杉山真也
  • 雑誌名: こころの科学 巻: 209 ページ: 38-41
• [雑誌論文] 摂食障害（拒食症・過食症）とその最近の治療 特集 摂食障害～心と体へのアプローチ (2019)
  • 著者名/発表者名: 河合啓介
  • 雑誌名: Stress & Health Care 巻: 233 ページ: 2-4
• [雑誌論文] ortal hypertension in prolonged anorexia nervosa with laxative abuse :A case report of three patients (2019)
  • 著者名/発表者名: Aiko Koga, Kenta Toda, Keita Tatsushima, Sunao Matsuubayashi、Naho Tamura, Masatoshi Imamura, Tsuyoshi Ishida, Keisuke Kawai
  • 雑誌名: J Eat Disord 巻: 52 号: 2 ページ: 1-5
  • DOI: 10.1002/eat.23007
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 摂食障害の今日的理解と治療 摂食障害の生物学的メカニズムの今日的理解―内分泌など生理的機能を中心に (2018)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介
  • 雑誌名: 精神科治療学 巻: 33 ページ: 1305-1311
• [雑誌論文] 心身医学における安静時機能的MRI研究 (2017)
  • 著者名/発表者名: 権藤 元治、河合 啓介、守口善也、樋渡昭雄、高倉 修、須藤信行
  • 雑誌名: 心身医 巻: 57 ページ: 724-729
  • NAID: 130006863504
• [学会発表] メタボ精神疾患」としての神経性やせ症の病態理解 (2021)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介
  • 学会等名: 第24回日本摂食障害学会
  • 招待講演
• [学会発表] 心療内科臨床における栄養サポートの提案 (2021)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介
  • 学会等名: 第25回日本心療内科学会学術大会第51回学術講習会
  • 招待講演
• [学会発表] 身体からみる摂食障害の病態理解と治療 (2021)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介
  • 学会等名: 第132回 日本心身医学会関東地方会
• [学会発表] Portal Hypertension in Prolonged Anorexia Nervosa with Laxative Abuse (2019)
  • 著者名/発表者名: 1.Keisuke Kawai, Aiko Koga ,Sunao Matsuubayashi, Masayasu Shoji, Naho Tamura.
  • 学会等名: The 24st World Congress of International college of Psychosomatic Medicine(ICPM)
  • 国際学会
• [学会発表] 摂食障害の栄養療法 摂食障害の心理教育に役立つコンテンツ‐ミニマムエッセンシャルズ (2019)
  • 著者名/発表者名: 河合 啓介
  • 学会等名: 第115回日本精神神経学会
  • 招待講演
• [学会発表] Portal hypertension in prolonged anorexia nervosa with laxative abuse (2019)
  • 著者名/発表者名: Keisuke Kawai Aiko Koga, Kenta Toda, Keita Tatsushima, Naho Tamura
  • 学会等名: Deutsch Congress of Phychosomatic Medicine and Psychotherapy
  • 招待講演
• [学会発表] 神経性やせ症患者における間接熱量計を用いた呼吸商の評価 (2018)
  • 著者名/発表者名: 山下 真 戸田健太 麻生千恵 波夛伴和 髙倉修 須藤信行
  • 学会等名: 第59回日本心身医学会
• [学会発表] 神経性やせ症患者における基礎エネルギー消費量の推定 (2017)
  • 著者名/発表者名: 山下 真 鈴山千恵 波夛伴和 髙倉修 河合啓介 須藤信行
  • 学会等名: 第58回日本心身医学会
• [学会発表] Estimation of basal energy expenditure in patients with anorexia nervosa (2017)
  • 著者名/発表者名: Makoto Yamashita, Chie Suzuyama, Tomokazu Hata, Shu Takakura, Keisuke Kawai, Nobuyuki Sudo
  • 学会等名: 24th World Congress on Psychosomatic Medicine
  • 国際学会