研究課題
基盤研究(C)
食道アカラシアには、食道内圧結果より3つのサブタイプ ( Type I、Type II、Type III )に分類される。免疫・炎症の観点から、Type I及びType IIはTh1及びTh17関連疾患であり、Type IIIはTh17関連サイトカイン疾患であった。また、サイトカインプロフィールを用いた判別分析にて、食道内圧所見の相違による分類を反映して、各サブタイプ間においてサイトカインプロフィールが有意に異なっていた。一方、食道アカラシアの前駆状態とされる食道胃接合部通過障害に対して、アコチアミドの有効性を検討する前向き観察研究 (n=25)を行ったところ、52 %が正常化する結果を得た。
食道アカラシアとその前駆状態とされるEGJOOは、胸のつかえ症状から生活の質や労働生産性を低下させると共に致死的となる誤嚥性肺炎を合併するため高齢化社会を迎えた本邦において重要な疾患であるが、未だ病因・病態は解明されておらず治療は確立していない。本研究の学術的意義は、食道粘膜サイトカインプロフィールの観点からこの2つの疾患の病態の一端を解明したことである。また、本研究の社会的意義は、アコチアミドがEGJOOの治療薬及び食道アカラシアの予防薬となる可能性を示し、本邦の社会的ニーズである2つの疾患の治療法の開発へ直結するエビデンスを得たことである。
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