バレット食道におけるバレット腺癌リスクマーカーの検討

• 研究課題/領域番号: 17K09364
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 消化器内科学
• 研究機関: 川崎医科大学
• 研究代表者: 村尾 高久 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40388971)
• 研究分担者: 塩谷 昭子 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80275354)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2021-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2020年度)
• 配分額: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円); 2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円); 2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円); 2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: バレット食道腺癌 / PDZK1 / バレット腺癌 / LSBE / SSBE / SERPINB7

研究成果の概要

PDZK1過剰発現およびノックダウンプラスミドを構築し、食道腺癌細胞株(OE33)に空ベクターをトランスフェクトした細胞(NC)と、PDZK1を過剰発現させた細胞(PC)を作成した。
両細胞で増殖速度に差を認めなかった。対象群に比べてPSI刺激群ではNCの有意なアポトーシスの増加を認めたが、PCではアポトーシスの増加抑制を認めた。アポトーシス実行蛋白をWestern Blottingで解析したところ、PCにおいてPSI刺激で増加したCleaved Caspase3の発現は、PCでは抑制されていた。PDZK1はEACにおいて抗アポトーシス作用を増強し癌の抵抗性を増加させる可能性が考えられた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

近年、下部食道のバレット上皮から発生する食道腺癌は急激な増加を示し、海外において最も増加率が高い癌である。
我々は米国人と日本人の検体を用いて癌の合併率が高いバレット上皮においてPDZK1の発現が高いことを調べてきた。今回、PDZK1の役割を明らかにする目的で食道腺癌細胞株にPDZK1を過剰発現させた細胞を作成した。対照の細胞と比較すると細胞の増殖速度に差は認めなかったが、アポトーシス（細胞が構成している組織をより良い状態に保つため、細胞自体に組み込まれた細胞の自然死）刺激を行うと、アポトーシスの増加抑制を認めた。そのためPDZK1は食道腺癌において癌の抵抗性を増加させる可能性が考えられた。

研究成果

• [雑誌論文] PDZK1 induces resistance to apoptosis in esophageal adenocarcinoma cells (2021)
  • 著者名/発表者名: Handa Osamu、Goda Kyousuke、Handa Yukiko、Fukushima Shinya、Osawa Motoyasu、Murao Takahisa、Matsumoto Hiroshi、Umegaki Eiji、Fujita Yoshihiko、Nishio Kazuto、Shiotani Akiko
  • 雑誌名: Esophagus 巻: - 号: 3 ページ: 655-662
  • DOI: 10.1007/s10388-021-00819-z
  • NAID: 40022594543
  • 査読あり
• [雑誌論文] Molecular biomarker identification for esophageal adenocarcinoma using endoscopic brushing and magnified endoscopy (2020)
  • 著者名/発表者名: Goda K, Murao T, Handa Y, Katsumata R, Fukushima S, Nakato R, Osawa M, Ishii M, Fujita M, Handa O, Matsumoto H, Fujita Y, Nishio K, Wallace TM, Gomez-Esquivel R, Berzosa M, Wolfsen HC, Wallace MB, Umegaki E, Shiotani A
  • 雑誌名: Esophagus 巻: 18 号: 2 ページ: 306-314
  • DOI: 10.1007/s10388-020-00762-5
  • NAID: 40022523276
  • 査読あり
• [学会発表] バレット食道のバレット腺癌リスクマーカーPDZK1 の抗アポトーシス能増強作用 (2020)
  • 著者名/発表者名: 半田 修,半田有紀子,合田杏佑,福嶋真弥,平松和恵,萩原喜美子,村尾高久,藤田至彦,塩谷昭子
  • 学会等名: 第38回Cytoprotection研究会
• [学会発表] バレット食道のバレット腺癌リスクマーカーPDZK1 の抗アポトーシス能増強作用 (2020)
  • 著者名/発表者名: 半田修,半田有紀子,合田杏佑,福嶋真弥,平松和恵,萩原喜美子,村尾高久,藤田至彦,塩谷昭子
  • 学会等名: 第38回Cytoprotection研究会
• [学会発表] 内視鏡下ブラッシング法を用いたバレット食道に関連する分子バイオマーカーについての検討 (2018)
  • 著者名/発表者名: 合田 杏佑
  • 学会等名: 第50回胃病態機能研究会 主題1-2 Young Investigator Session『酸関連疾患をめぐる諸問題』
• [学会発表] Molecular biomarkers of Barrett’s esophagus using endoscopic brushing samples (2017)
  • 著者名/発表者名: Kyosuke Goda, Takahisa Murao, Akiko Shiotani
  • 学会等名: 第93回日本消化器内視鏡学会総会ワークショップ
• [備考] 川崎医科大学 消化管内科学教室H.P.
  • URL: https://m.kawasaki-m.ac.jp/classroom/course.php?id=404