研究課題
基盤研究(C)
PPIとPotassium competitive acid blockers (PCAB)は、口腔内由来の菌種が腸内で増加しその菌種変動は極めて類似していた。一方、H2RAは、PPIやPCABと重複している菌種は少なく、腸内細菌の変動個数も乏しかった。また、PPI使用に伴い多剤耐性菌(ESKAPE病原菌)の割合が腸内で増加した。さらに、腸内細菌の機能遺伝子情報解析を行い、PPIとPCABはともに細菌のアミノ酸代謝、炭水化物代謝、ビタミン代謝が関連する細菌の遺伝子群が亢進している所見を認めた。PPI使用後、口腔内由来の細菌の増加や病原菌が増加したが、PPI中断に伴いこれらの菌種は減少した。
薬剤の中でも消化器系の薬剤、とくにPPIやPCABなど薬剤が最も影響度が強い。PPIやPCAB使用に伴う腸内細菌叢への影響は、ほか薬剤併用による相加的効果、口腔内細菌の流入、細菌が担う食物代謝機能の更新、日和見菌増加などの広範囲に認められた。胃酸分泌抑制薬による腸内環境への負の影響を示唆するものであり、適正な薬剤投与の適応や投与期間を見直す意義が強調された。
すべて 2021 2020 2019 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)
Clin Infect Dis
巻: Epub 号: 9 ページ: e3163-e3171
10.1093/cid/ciaa820
Journal of Gastroenterology and Hepatology
巻: Epub 号: 7 ページ: 1738-1743
10.1111/jgh.15370
Gastroenterology
巻: 158 号: 1 ページ: 168-168
10.1053/j.gastro.2019.09.010
Scientific reports
巻: 11 号: 1 ページ: 4042-4042
10.1038/s41598-019-40182-9